工場見学記に残る明石製作所 品川工場

NII論文ID(NAID) :110001484640 より転載 
社団法人日本鉄鋼協会
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 45(6), 666, 1959-06-01 
株式会社明石製作所(第 2 班, 第 57 回講演大会工場見学記)
昭和34年4月4日(1959)
長岡 金吾
北海道工業試験所

見学対象
日本原子力研究所東海研究所  金属材料技術研究所  株式会社明石製作所
株式会社東京衡機製造所溝ノ口工場 日本鋼管株式会社川崎製作所
いすず自動車株式会社川崎製造所

株式会社明石製作所

明石製作所は精密機械工学の権威明石和衛博士が創始された材料試験機工場として40年余の歴史をもつことはあまりにも有名である。 現在では、硬度計を除いた材料試験機の製作は中止され、このほかに電子顕微鏡、振動計、釣合試験機が製造されている。 そして、硬度計、電子顕微鏡は最近、アメリカ、欧州向け輸出が増加しているという、営業部次長浅羽氏の説明であった。 小型で、調整が単純化され、3万倍迄連続的に倍率を変化し得る電子顕微鏡、 スマートなデザインの各種硬度計のいずれにも工場の伝統であろう独創性を具えた努力のあとがうかがわれた。 電子顕微鏡では立体観察のステレオ装置、硬度計では新製品の電動ロックウェル、携帯硬度計などが見学者の興味をひいたようであった。 これらの工作には特別な機械が自家製作されて使われているとのことである。 1時間余の見学を終え、日立金属、小柴定雄氏が会社の御発展を祈る旨の謝辞を述べて会社を辞したが、予定時刻をだいぶ過ぎていた。

○ これは工場見学記で、当時、相模工場はまだ無い時代であることから、品川工場の見学記ですね。○

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