平成29年7月15日開催の明石会

昭和45年((1970年)入社の巳波裕一様に、D番の幹事役として、
「明石バランサーとの学生時代から今に続く縁」
を語っていただいた。

皆さんこんにちは,1970年,昭和45年入社の巳波です。

第10回の明石会でまた皆さんとお会いできたことをうれしく思います。
まずは世話人の皆さんにお礼申し上げます。
そしてここにいる皆さん全員の方には大変お世話になったので
全員にお礼を言わなければならないのですが,
この場からは「なつかしの仕事場・明石製作所」というウェブサイトを立ち上げて下さった
小林さんに改めてお礼申し上げます。
今朝のアクセス数は18000を超えていました。これこらのますますの発展を祈ります。

私はいろいろな部署を渡り歩き,
あちらこちらに顔を突っ込んでは「いつの間にか居なくなっている」ということを繰り返してきました。
ある時は営業ある時は工場,加振機にも地震計にも電顕にも関係したことがありましたが,
全体的に一番長かったのがD番でした。

私が明石製作所に入社したきっかけもD番でした。
釣合い試験機に興味を持ったきっかけは,
学生時代に学校で実験に使った「DES−30」の内部を見たことでした。
パネルには大きなメータとスイッチやダイヤルが並んでいるので,
内部には真空管などの電子回路が入っているものだと思っていました。
実際に中を見たら意外にも真空管やトランジスタらしきものは何もなく,
配線だけだったので不思議に思いました。
恩師であり先輩でもある三輪先生に尋ねたところ,ピックアップで発電された電気でメータが振れる,
その間に同期整流器というものがある・・・と丁寧に教えて頂きました。
そしてその巧妙な仕組みに大変感激しました。

釣合い試験機の歴史は,
末廣式,久野式,同期整流,ワットメータ,掛け算方式,ハードタイプ・・・と発展してきました。
それぞれいつ頃どの様に作られたかの記録は大体あるのですが,
機械式の同期整流器(メカニカルコミュテータ)がいつ頃どのような経緯で採用された,
という記録がはっきりしていません。

ただ,明石和彦社長が生前に,
「昔(社長の学生時代だと思います),地磁気の測定に磁気センサを回転させて、
メカニカルコミュテータを使ったところとても上手くいった・・・」
と仰っておられたのを思い出し,きっかけはその辺りかなと思っています。
ご存知の方が居られましたら教えて下さい。

間もなく70歳の現在,
小さな釣合い試験機の専業メーカの手伝いとしてD番人間を続けています。
そのような訳で明石製作所の古いユーザへ出向くこともあるのですが,
最近伺った古いユーザでは当時の担当者と再会し,
30年以上前の明石製作所の機械が順調に動いているのを実際に見てホッとし,
そして大変うれしく思いました。
昨年鹿熊さんが「明石のDNAは世の中にちゃんと生き残っている」と仰っておられましたが,
全くその通りと思います。

D番以外の方にはつまらない話だったと思いますが,
来年の明石会で皆さんと再会できることを楽しみに,私からのお話を終わらせて頂きます。

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